老後2000万円問題とは?
「老後2000万円問題」レポートの要約
「老後資金、夫婦で2000万円必要!」という議論が世間を賑わせたのは2019年。
2019年6月、金融庁が「高齢社会における資産形成・管理」という報告書を公表しました。(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)
改めて報告書を読み直したので、簡単に要約しますね。
・人生100年時代に突入しました!国民の皆さん、100才まで生きるつもりで準備必要ですよ!
・でも困ったことに、少子化が進んで年金制度は縮小傾向、退職金制度も前より機能してないんです…
・大丈夫、日本人は世界的に見て、体力も知力も格段に高い!60才や70才を過ぎても十分働けますよ!
・そしてもうひとつ、現役世代から、金融資産をしっかり貯めましょ!
月の生活費、年金だけじゃ足りないから、5万円取り崩すとして、30年で2000万が必要なんです!
・ちなみにこの2000万円には、老人ホーム代や家のリフォーム費用は含まれてないから注意してね…
・ところで米国の高齢世帯の金融資産はここ20年で3倍に増えたんですって!すごい!
・なぜかというと、米国では401Kなどの制度に後押しされて、みんな資産形成をしてたから。
・日本もNISAやiDeCoの制度、充実させてくから、みなさん、資産形成を頑張って老後に備えましょう!!
・ちなみに資産形成の方法、長期・積立・分散投資がおすすめ!
・5年程度の短期投資では収益がマイナスのこともあるけど、20年保有してればプラスに落ち着いて、収益にバラツキも少なくなるんですー!
まあ、端的に、金融庁が言いたいこと分かりやすく一言でいうと、
ってことですね。
至極まっとうなことを言ってます。
2019年当時、マスコミの報道は
『老後2000万も貯められない!無責任に大金だけ提示しやがって!ってみんな言ってますよ。国がどうにかしてよ!』という論調だったと記憶しています。
でもこのレポート、きちんと読んでみれば、全然無責任じゃないと、少なくとも私は思います。
(本当にマスコミって、刺激的なニュースに仕立てて、国民を煽るような報道しかしないな・・・と)
日本の現状を冷静にデータで分析し、国民が先々困らないように、いくら準備しておけばいいか、さらにその方法まで、結構突っ込んだところまで具体的に提示してくれてます。
平易な文章で、誰にでも分かるように。
温かいな、って思いました、私は。
少なくとも金融庁の官僚の皆さんは、そのずば抜けた能力を、国民の未来のために発揮してくださってると思います。
ありがたや・・・
私たち国民は、マスコミの扇動は無視して、積み立て投資で自分自身の未来を守るしかないんです。
マスコミと一緒にプリプリと国の批判をしても、老後の面倒は国が見るべきとふんぞり返ってても、
1円にもならないのです。
新NISA活用方法の答えが書かれている!?
このレポート、【長期・積立・分散投資の有効性】という部分、注目したい記述がありました。
月5000円、30年で総額180万、年2%の運用を想定すると246万円になる
ここでちょっと気付いたんですが、
金融庁は月5000円という少額拠出の例を出していますが、本音としては『×10』を国民に目指して欲しいのでは?
月5万円、30年で1800万円。新NISAの上限1800万円とピタリ一致します。
年2%の利回りで、2460万円、老後2000万円問題、少し余裕をもってクリアできます。
さらにここで金融庁がわざわざ「年利2%」という数字を出しているということにも注目したいと思います。
ここであえて出す数字なんですから、少なくとも「年利2%」は、「これぐらいなら実現可能でしょ」とかなり控えめに見積もった数字であるはず。
実際に、過去のシミュレーションとして、日本・先進国・新興国の株式と債券、1/6ずつの投資では年平均4%の結果を紹介しています。
毎月5万、30年で1800万の元金が、年4%の運用で4920万円
30年で資産が2.7倍に増えていた、という結果ですね。
更に、株式のみの投資の過去のデータも出しています。
【40年の超長期投資の結果】
NYダウのみの投資で約3.7倍
NYダウと日平均、半々の投資で約2倍
日経平均のみの投資で約1.5倍
そして下記の記述がありました。
これ、ただ単に過去の分析をしているわけではない、と思います。
これからの投資も、「日本株だけでなく、米国株も組み合わせてくださいね!」という、金融庁からのメッセージではないでしょうか?
としながらも、(まあこれも、投資を語る際に必ず添えられる枕詞、一応書かなきゃいけない文章ですね)
と、文章を締めています。
長期・積立・分散投資
もうね、結局、これなんですよ。
金融庁のお墨付きの投資方法。これやっときゃとりあえず間違いない、ってことです。
金融庁に代わってハッキリ言います。
ここまで踏まえて、ハッキリ言います。
金融庁の立場では、言い切りたいけど決して言えないまとめ。
このレポートで遠回しに主張しているであろうまとめは下記の通り。
多少の主観が入っているかもしれませんが、大きく外れたことを言ってない自信はあります。
毎月5万円を30年間、米国株を含めた分散投資で積み立ててください
元金1800万、NISA使えば非課税になります!(利益の20%を税金で持って行かれることはないです)
これで少なくとも、老後2000万円問題は、余裕を持ってクリアできます
月に5万円を拠出できるのか問題について
ここで一つ問題になるのは「月に5万円も投資に回せるか?」ということだと思います。
ぶっちゃけ無理、という人が大半だと思うし、それで当然です。
月に5万円、大きな金額です。
正直私も、独身の一人暮らしの時だったら、とても無理でした。
東京の一人暮らしはお金がかかる!
特に20代なんて、娯楽を求めるお年頃ですし…
ちょっと飲みに行ったり、遊びに行ったら、1万、2万、あっという間になくなっちゃいますよね。
でも、別にそれはそれでいいと思うんです。
すべてを我慢して意地で毎月5万円を貯めるような生活って、不可能じゃないんでしょうが、
老後のために今の人生を捨てているのと同じ。
投資なんてできる範囲で十分なんです。
人生を豊かにするための投資で、今の人生をつまらないものにするのはもったいないですからね。
ただ、ほんの少しでいいんです。
ほんのちょっと我慢なり節約なりの工夫をして、毎月1万でも5000円でも、積み立てを「続ける」ことが大切かな、と。
目標は新NISAの1800万の枠いっぱいに投資をすること。
目安が30年ですけど、35年になっても40年になっても、全然いいんです。
何せ人生100年時代ですからね。
自分の子供には、18才になったらNISA口座を開設して、月に1000円ずつでもお金を入れる習慣を身に着けて欲しいなと、
過去の反省も踏まえて思います。
そして今が50代、60代の方も、別に投資を始めるのに遅すぎるということもありません!
60才の方の約80%は80才まで生きますし、25%の人は95才まで生きるんです。
長期・分散・積み立て投資で、資産を倍増させるに十分な時間があります。
2024年スタートの新NISA、10代の若者から、中高年の方まで、十分に活用できる制度だと思います。
こんなことを書いている私も、もちろんまだまだ道半ばです!!
長年金融にいたくせに、何やってたんだ、という状況で…
(完全に言い訳ですけど、金融勤めの人ほどこんな感じの人が多いんです…)
ただ、20年の知識の蓄積はあるので、情報を共有させていただきたいと、文章をしたためている次第です。
そして皆さんと一緒に、資産形成、頑張っていきたい!と決意を新たにしております。
コメント