下記の記事で、資産の分散をするために「株式のインデックス型投資信託がおすすめ」とご紹介しました。
分散投資がいいのなら、株だけじゃなく、他の資産にも投資した方がいいのでは?
という疑問が湧いてくる方もいらっしゃると思います。
株に加えて、債券やREIT(リート=不動産投資信託)の3資産、それらを国内、海外に投資をして「6資産分散投資」という投資信託があります。
どこでも売っているメジャーどころのファンドです。
が。
6資産分散型のファンド、私はそんなにおすすめはしないです。
誤解しないで頂きたいのは、悪いものではないですよ、ということ。
何も投資をしないよりは全然いいです!
でも、あえて6資産分散は選ばなくていいんじゃないかな~と、個人的には感じてます。
その理由、ご説明していきます。
6資産分散、おすすめしない理由
手数料が高い!
日経平均やS&P500などの株のインデックス投信より、6資産分散の方が、手数料が高いです。
購入時の手数料は、「ノーロード」といって手数料がかからないファンドもありますが、
「信託報酬」という運用の手数料は、ファンドを持ち続けている限り必ず発生し続けます。
信託報酬は、「運用会社」「販売会社」「信託銀行」に支払われる手数料です。
私は運用会社で働いてたので、運用会社目線での話をしますと。。
名前の通り6つの資産に分散投資しているので、単純に考えて手間が6倍なんですね。
ファンドの設計段階から手間はかかっています。運用の担当者も資産ごとに存在します。
どうしても関わる人数が多くなってしまうファンドなんです。
私は投資信託の監査に関わる業務を長くやってましたが、6資産型ファンドは、もう本当に・・・
思い出すだけでめまいがするくらい面倒で、滅茶苦茶に手間がかかっていましたね。
手間がかかる=人件費かかる=手数料が上がる、という単純な図式が成立するわけです。
6資産すべてに投資をする必要が本当にあるならいいんですが、
「分散対象は多い方がいいでしょ」というシンプルな理由だったら、考え直す余地があるかも。
持ち続けている限りかかる手数料なんて、絶対に安い方がいいですからね。
債券を投資信託で持つ意味はあるのか
6資産が1/6ずつの均等投資だとすると、債券の比率が1/3です。
6資産分散モノに入っている債券は、先進国の国債だったり、社債にしても高格付けであることがほとんどだと思います。
いわゆる安全資産、と言われる位置づけ。
上にも下にも、そんなには動かないイメージです。
なので、長期間保有していても、下がりもしないけど、「やった!上がった!」という実感は少ないかもしれません。
国内・海外の株とREITで長期的な資産形成がせっかく叶っても、1/3もの債券が足を引っ張って、トータルリターンはイマイチ、ということがあるかもしれないです。
安全資産は必要ない、ということじゃないですよ。
安全資産は、投資信託で持たなくていいと思うんです。
それこそ、銀行預金でOKじゃないですか。
利息はほぼゼロだけど、預けるのに手数料かからないんですから。
手数料を支払ってまで、債券を投資信託で持つ意味が本当にあるのか?ということですね。
REITは初心者向きではない
あと、REITをどうするかの問題です。
REIT、いい資産です。私もREIT単体の投資信託では積み立てしています。
REITというのは「賃貸不動産経営に特化した会社」のこと。
ここでは一旦「不動産」と捉えて頂ければ十分です。
よく、各資産のリスクと期待リターンについて、下記のように言われたりします。
株はハイリスクハイリターン
債券はローリスクローリターン
REITは、株と債券の中間。ミドルリスクミドルリターン
ですが。。。
REITって結構値動きは大きいです。
不動産なので、株と一緒で、景気がいい時には上昇するし、景気が悪い時には下落する。
金利によっても価格が動くこともあり、株よりも少し先行して動くイメージです。
株と値動きは似ているのですが、REITの市場は株式市場よりも遥かに小さいので、
結構大きく値動きしちゃうんです。
理論上の「ミドルリスクミドルリターン」が当てはまらないこともしばしば。
株よりも動き大きいよね・・・?って、正直私は思います。
少なくとも「ミドル」ではないかな、と。
なのでREIT、「なんかセットだったので、自動的に保有しています」というよりは
もう少し、覚悟を持って投資を始める部類のものかな、と思います。
繰り返しますが、REITはいい資産なんですよ!
しっかりREITを理解して、積極的に投資をしたいと思う分には、全然問題ありませんが、
投資初心者の方はまず株でいいんじゃない?という気がします。
株とREITって値動きは似ているので、特段REITにこだわる理由はないです。
株が主食で、REITは副菜、という感じでしょうか。
必須ではない、お好み次第で、余裕があれば。というイメージ。
6資産、値動きは決して小さくない
6資産分散投資、よく「値動きが安定していることがメリット」というセールストークが聞かれますが。
やっぱりこれも、あくまで理論上、って感じかも知れません。
半分は海外に投資しているので、為替変動リスクは大きく関わってきます。
更に、株とREITという、景気に対して敏感に動く資産も、全体の2/3を占めています。
短期的には結構、上下に値段が動きます。
「安定」と思い込んで投資をしていると、結構びっくりすることも、あると思います。
株、債券、REIT、国内、国外・・・と、色んなものに投資をしていると、様々な要因で値段は動くので、
思いもよらない原因で値段が上がったり、下がったり、しやすいんですよね。
「値動きが安定してる」だなんて、のんきに構えていられる種類のファンドでは決してないと思います。
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